nanikasiyou’s diary

僕が取り組んでいることを紹介するブログです。

ミステリーショッパー

ミステリーショッパーを始めてから2年目になる。

 

やってみようと思った動機について書こう。
ぼくがMSについて持っていたイメージは、一つは飲食店の調査する代わりに、飲み代+αが貰えるといった安直なバイトってところかな。
しかし一番の決め手は、評価という仕事が、いままで自分に抵抗感があり、避けていたため、これまでの自分を超えるためには、やってみなければ解らないと思ったこと。
そう思ったからこそ、利益は無くとも、とにかく、やることを決断したのだ。
 
実際やってみると、最初に思っていたこととは、だいぶ異なっていることが解った。
各企業のマニュアルに沿って、出来ているところと出来ていないところをチェックするのは大体合っているが、利用者の観点から見たら、どうでもいいようなことを厳密に評価しなければならなかったり、評価が悪いと給料に反映されるから考えて書くようにと注意があったり、思いもしなかった制約が多いと感じた。
しかし、学んだところも多く、特に接客に際しては笑顔が重要なところは、MSを続けるうちに、その重要性がひしひしと感じることができたのは収穫であった。
 
ある飲食店の調査をしたときのことである。
その店には女性スタッフばかりが5~6名おり、その中の一人だけは、凛とした表情で笑顔が無かったのであるが、仕事は他のスタッフより確実にスピーディにこなしており、優秀なスタッフに見えた。
しかし、企業のマニュアルに従うと笑顔が無く悪い評価になってしまう。
人それぞれに生まれつきの顔立ちがあり、笑顔の評価が良い人は普段の顔でも、少し口が大きく開いて歯が見えていたり、タレ目だったりして、普通の顔が笑顔に見えるため評価で得していることが多い。
その点、かえって目鼻立ちが整っていると、忙しく余裕の無い状態のときなど笑顔と見えないため評価を悪くしてしまうのだ。
そのときは、MSを始めて、あまり経験も無いときで、企業の評価基準に不満を持っていたときである。
 
その調査は、少し他の調査と違ったところがあった。
それは最後に調査員であることを店のスタッフに明かし、調査したエビデンスとして、サインをもらうことになっていた。
 
ぼくは最後に会計を済ませ、調査を完了すると、改めて身分を明かし調査で訪れたことを説明した。
その瞬間、スタッフの注目が一気に、ぼくに注がれたことを感じた。
最後に「調査にご協力ありがとうございました、皆さん頑張ってください」とお礼を言って立ち去る時のとき、スタッフ全員から挨拶があった。
ふと最後の挨拶をしながら見渡すと、あの一番気になっていたスタッフの顔が目に入った。
その笑顔は、スタッフのなかで一番輝いて見えた。
何か憑き物が取れたように爽やかな満面の笑顔だった。
気が付くと、そのとき、ぼくも満面の笑顔になってお辞儀をしていた。
 
それまで、普通の人には満面の笑顔なんて無理、スタッフも仕事で笑顔を見せているだけだと思っていた。
そして、それは自分自身の、仕事に対する甘えの裏返しでは無かったのかと気付かされた。
 
あのときから、ぼくはミステリーショッパーに対する意識が変わった。
あんな感動に出会えるならMSも悪くない。
 
そして、ミステリーショッパーは、そのことを伝える仕事なのかも知れないと。